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第三帖 北は埋められ花は手折られ 1


「式場は決めたのか?」
 二年ほど付き合っていた女性と結婚する旨を告げた日の昼休み、自動販売機に硬貨を入れながら、上司は声を潜めて尋ねてきた。
「まだ、何にも」
 暁人は首を横に振った。
 ただ婚約しただけで、諸々のことには何一つ手をつけていない。全てはこれからである。
「係長のときはどうだったんですか?」
 二つ年上の上司は既婚者で、その左薬指にはプラチナがはまっている。初対面の折には同性の自分でさえ怖気立ったほどの美貌を備える彼が、所作も優美、仕事も有能、対人能力も穏やかと来れば、社内の女性から好かれぬはずはなく、ある日突然入籍を果たして指輪をはめてきた日はちょっとした騒ぎになったものだった。
「俺のところは何もしてないからな」
「そうなんですか? 身内に限ってはされたのかと」
「してもよかったんだが、何も。参考になれなくて悪いな」
「いえ」
「でもまぁ何か手伝えることがあれば言ってくれ。遠慮はするな」
 肩を叩いてくる上司の手には親しみがある。暁人は感謝した。上司に対しては無論、彼の下に自分を配属した人事部にも。
「あ、主任! いたいた!」
 休憩室に同部署の天宮が顔を出す。部下の女性スタッフだ。
「成川主任、フォーネカールの黒葛さんからお電話くださいって」
「わかった」
「あ、丁度よかった! 係長もいるぅ」
 暁人が承諾に頷く間にもうひとり、女が踏み込んできた。
「妹尾係長! さっき的場課長が探してましたぁ! なんだか不機嫌そうでしたけどあのナミヘイさん」
「ちょっと柳井さん、そういうことは言わないの!」
「やだぁ、天宮ちゃんこわぁい!」
 女性二人の漫才めいたやり取りを耳にしながら、上司と顔を見合わせて苦笑する。これから的場の厭味を聞きに行く彼に同情を禁じえない。紙コップの中身を飲み干して休憩室を出る上司と、彼に続く天宮たちを見送って、暁人も手の中のコーヒーを一息に呷った。


『結婚しました』
 見慣れた文字で一文だけ添えられたポストカードは、かつて親しくあった女からのものだ。絵の具のような鮮烈な青の下、彼女は純白の衣装を身につけて華やかに笑っている。
 感慨を抱く暁人の脇から、大輔が顔を出した。
「それ、俺たちんとこにも来たよ。しばらく音信普通だと思ったら、これだもんなぁ」
「彩夏らしいよ」
 ポストカードを手帳に挟みなおして暁人は笑った。数年前、就職した企業で海外事業部に配属され、渡米した大学時代の友人は、現地の上司と熱烈な恋愛を繰り広げた後、ついにゴールインを果たしたらしい。情熱的なところは変わるところがない。今も昔も。
「きっと押せ押せで妻の座をもぎ取ったんだろうよ、彩夏の奴。なんとなく想像できるなぁ。あいつがお前に惚れてたときも凄かったもんな」
 大輔もまた大学の同窓だ。彩夏と暁人の当時のことを、よく知っている。彼から向けられた揶揄を、暁人は一際高く立てた氷の音に紛れ込ませて受け流した。
 彩夏は積極的で何事にも熱意があり、暁人も少なからず好意を持っていた。しかし暁人のそれは彩夏から向けられるものと違って、友情という域を脱することはなかったのだ。彼女の愛情を疎ましく思いながらも、友人としては無碍に出来ず、暁人のその態度が彼女を憔悴させていったのは確かだった。
 ようやっと幸せを手にした彼女を、素直に祝福したいと思う。
「つぐみが残るはお前だけだなって言った傍から、お前も結婚するなんてなぁ」
「おかしくはないだろ。適齢期だし」
「うん……まぁな」
 大輔が返事をして、ビールを啜った。
 暁人が彼に久方ぶりに呑もうと声を掛けたのは、ひとえに婚約を報告するためだった。よくつるんでいた友人の最後のひとり、つぐみには、夫たる大輔に報告をしておけば事足りる。
「何年ぐらい付き合ってたんだっけ?」
「二年ぐらい」
「ふぅん。どんな出会いだったんだ? そういや馴れ初めとか聞いてないよな」
 大輔の問いに、暁人は眉をひそめた。
「覚えてない」
「は? 覚えてない? 自分の女房になる女のことだろ?」
「覚えてないものは覚えてない」
 嘆息の代わりに、暁人はハイボールを飲み下す。婚約者となった女、菫(すみれ)との関係の始まりは本当に曖昧で、いつ、どこで、出会い、どのようにして男女の関係に陥ったのか定かでないのだ。婚約の段になり、菫も出逢ったばかりのことを頻繁に口にするし、おそらく、あれだろうという記憶もある。だが印象が薄く、説明しようと思い返すことは億劫以外の何でもなかった。
「こんど紹介しろよ、暁人」
「うん」
「どんな子なんだ?」
「え……普通だよ」
「……普通って、どんな?」
「どんなって……」
 口ごもった暁人に、大輔がおおいに呆れた目を投げかける。
「お前、本当にその子と結婚しようとか思ってんの?」


 婚約者、綾野菫(あやのすみれ)は明るく、はきはきとよくしゃべる。
「なので、私的にはマーメイドのドレスがいいかなぁと思ってたんですけどね。クラシックなプリンセスラインのドレスも素敵って思いまして!」
 それは暁人の兄夫婦を相手取っても変わることがなかった。四人で食事を囲む席で、菫は兄嫁の琴乃とウエディングドレスの話題で盛り上がっている。琴乃に対し、怯まぬのはよいことだ。
 兄嫁も臆するところのない暁人の婚約者をそれなりに気に入ったようで、今日も機嫌よく菫の相手を務めてくれていた。
 癖のある暁人の家族、とりわけ兄夫婦と付き合えるという部分は点数が高い。だからこそ、付き合って二年になり、年齢といった諸々を考慮するなら、結婚するか別れるかの区切りをつけたほうがいいと考え、暁人は前者を選んだのだ。
 菫はとにかく、暁人を疲れさせない女だった。暁人が仕事にかまけていても、社交的な彼女は友人たちと楽しくやり、一方で女としては男に甘える術も心得ていた。自己主張がはっきりしすぎるきらいはあれど、適度なわがままを口にする彼女をかわいいと思う。
 菫への情を再確認して、暁人は料理の最後の一口を食した。
 兄の作ったそれは絶品であるはずなのに、なぜか味がしなかった。


「あ、暁人、ごめん」
「どうしたの?」
 兄夫婦のマンションを降り、駅へつま先を向けたところで、菫が鞄の中をかき回し始めた。
「私、携帯をおにいさんのおうちに忘れてきたみたい」
「本当に? 今ちょっと鳴らしてみようか?」
「お願い」
 菫の番号を呼び出し、耳に当てる。コール音が一回、二回。しかしそれらしい着信音は周囲に響かない。
「ごめん。もういいよ。ちょっととってくる」
 そう言って、菫はワンピースの裾を翻す。暁人は携帯を閉じながらその背に尋ねた。
「一緒に行こうか?」
 足を止め、菫は首だけで振り返った。
「ううん」
 彼女は否定を返しながら、交差点を渡った先のコンビニを指し示す。
「暁人はそこで時間つぶしてて。すぐ戻る」


 携帯は案の定、暁人の兄夫婦の家に置き去りにされていた。
 近々自分の親族となる二人に詫びと礼を述べて辞去した菫は、エレベーターに乗って階下へ向かった。かすかな昇降音を聞きながら、奥の壁面に張り付けられた姿見で、己の身なりを確認する。
 新調したワンピースは大判の花柄が艶やかながらも、シンプルなラインで品が良い。シフォンに結った髪は軽やかな栗色。しっかりとルージュを塗りなおした唇はみずみずしかった。
 モデルのように美しいとは言えないが、平均以上の華は備えていると思う。
 菫は鏡ににっこりと微笑みかけた。
 暁人は菫が付き合ってきた男の中で最も優良な物件だった。
 名の通った優良企業に勤める見目麗しい男というものは、探す方法を間違わなければそれなりにいるものだ。しかしそのたいていが、プライドという名前の孤高の城に閉じこもる癇に障る輩ばかりだった。もしくはオタク。あるいは堅物。暁人はそのどれでもない。整った容姿と高い学歴を持ち、勤めにおいても有能さを示しながら、おごったところはどこにもなく、真面目だが適度に遊び心も備えている。菫が少し話題に付いていけないことを示せば、丁寧に噛み砕いて教えてくれる。
 なぜあのような男がフリーでいてくれたのか。菫はこのめぐりあわせに心から感謝していた。
 親に紹介したときも、古風で気難しい性質(たち)の彼らがすぐに打ち解け、とりわけ父親が暁人を気に入っていたことには驚いた。彼に親族を大事にしようとする考えがあるからだろう。
 唯一の不満は、暁人からある種の淡白さが漂う点か。
 優しくないわけではない。結婚を提案してくれた点からも、菫のことをきちんと考えてくれていることはわかる。結婚に向けての相談ごとにも面倒がらずにのってくれる。だがどこか――……熱意がない。
 結婚も、菫が断ればそれでいいという様子だったし、デートも、セックスも、何もかもがどこか淡白なのだ。彼から求めてくることもあるが、しなくてもかまわない、というスタンスが感じ取れる。彼が熱心なのは、仕事ぐらいなものだ。
 それが、実に物足りない。
(まぁいっか)
 菫は胸中で独りごちた。
(これ以上求めるのは、贅沢ってものよ)
 刺激が欲しいなら遊び相手は事欠かない。
 チン、と音を立ててエレベーターが止まる。観音開く扉を鏡越しに確認し、菫はヒールの音も高く、さっと踵を返した。
 刹那。
「きゃっ……」
 軽い衝撃とともに、小さな悲鳴がエレベーターホールに響き渡った。
 菫は反射的にエレベーターの延長ボタンを抑え、足元にしりもちを突いた小柄な影を見下ろした。
「ごめんなさい! 大丈夫?」
「は、はい……大丈夫です」
 大学生ぐらいだろうか。
 可愛らしい娘だった。
 身体のラインに添った白い長そでシャツの上に、撫子色のニットを着ている。スカートの隙間から覗くほっそりとした脚。光の筋が浮かぶ黒髪。化粧気の薄い顔は、あどけなく、どこか清廉とした、朝露に濡れる花のような雰囲気を持っていた。
 片手で扉の縁を抑える菫のもう一方の手を借りて、娘はよろよろと立ちあがる。
「すみませんでした。よく見てなくて」
 こけたことが気恥ずかしいのか、はにかんで謝罪する娘に、菫は首を横に振った。
「いいえ。こちらこそごめんなさい」
 娘と入れ違いにエレベーターを出る。
 扉が閉まる寸前に振り返った菫に、彼女は丁寧に会釈していた。


 インターフォンを鳴らすと、気怠そうな琴乃の声が返ってきた。
『どうしたのぉ? また何か忘れ物ぉ?』
「わすれもの?」
 言葉の意味がわからず、鸚鵡返しに問いながら、わたしはぱちくりと瞬いた。
 ぶつっとインターフォンが途切れて足音慌ただしく、琴乃ちゃんが飛び出てくる。
「つ、つゆこ!? あんた玄関のオートロックはどうしたのよ!?」
「え? あ、何度か挨拶したことあるひとが、通してくれました」
 足が遠のいていた一時期を除けば、琴乃ちゃんのおうちにはかなり頻繁に遊びに来ている。エレベーターの中でかち合い、世間話を交わしたことのあるひとは何人かいて、今日玄関ホールの自動ドアを開けてくれたひともその内のひとりだった。
「お、露子いらっしゃい」
 奥からひょいと顔を覗かせ、琴乃ちゃんの旦那様が手を振った。
「遥人さん! この時間にいるなんて珍しいですね。やっぱりお客様が来てたんですか?」
 レストランの厨房を任されている遥人さんが夜も早いうちから在宅しているときは、何か用事があるときに限られる。その上、インターフォン越しの琴乃ちゃんの言は、誰かが一度忘れ物を取りに来たことを示していた。しかも、つい先ほどといった雰囲気だ。
「あぁ、えっとなぁ……」
「ハルの昔っからの知り合いが、来てたのよ!」
 わたしと遥人さんの間に、琴乃ちゃんがぐいっと割り込んだ。
「まぁ立ち話もなんだから上がれって」
 琴乃ちゃんの妙な焦り様に、遥人さんが苦笑を浮かべる。
「晩飯の残りでよかったらあるぜ」
「あ、すみません。今日はお借りしてたDVD、返しにきただけなんです」
 わたしは提げていたトートバッグの中から、紙袋を取り出し、はた、と思い出す。そういえばわたし、エレベーターで人にぶつかってこけてしまったんだった。DVDケース、割れていないだろうか。
 紙袋の中身の無事を確認して安堵し、わたしは琴乃ちゃんに手渡した。
「あがっていけばいいじゃない? ハルの作ったリンゴタルトがあるわよ」
 このままでは強引に、お部屋の中に押し込まれかねない勢いだ。それを悟って、わたしはさっと身を引いた。
「ごめん琴乃ちゃん。わたし、ひとを待たせてるの」
「あれ。そうなの?」
「大学の友達みんなで遊んだ帰りに、ここに寄ってもらったの。だから、もういくね」
「そっかぁ……」
「また遊びに来いよ。露子ちゃんでガス抜きしとかねぇとやべぇからなぁ琴乃は」
「あんた妻に向かって何その爆発物扱い!」
「爆弾みてぇなもんだろ」
 どす、ごす、と、足元で攻防戦を繰り広げる夫婦に、わたしは吹き出しながら手を振った。琴乃ちゃんたちは、出会ったときから本当に、変わらない。ぶっきらぼうな遥人さんの口調にも、もう慣れてしまった。
 幼馴染の夫妻に挨拶して、わたしは階下へ急ぐ。
 エレベーターを降りて、外に出ると、玄関の前にオレンジ色のマーチが横付けされていた。
「お待たせ……あれ?」
 ドアを開いたわたしは、後部座席を命一杯使って寝息を立てる友人の姿に立ち止った。
「加奈のやつ、とうとう寝ちまったよ」
 運転席に収まる和真(かずま)くんが、苦笑いしながら助手席を指す。
「露子、こっちに来いよ。しばらく寝かせておいてやろうぜ」


 窓の向こうに流れる夜闇に、桜の木が並列している。群れる花びらが、薄桃色の雲みたいだ。
「心美たちが、花見しようって言ってたなぁ」
「するなら早くしないと、もう散っちゃうね」
 加奈ちゃんも、心美ちゃんも、そしてこの隣でハンドルを握る和真くんも、大学の演劇サークルの仲間だった。今日もみんなで、老人ホームでさせてもらう寸劇について話し合いながら、一緒にご飯を食べた帰りなのだ。
「するならさっさと決めろって催促しないとなぁ。俺も忙しくなるし」
「何かあるの?」
「バイト増やしたんだ。ほら、来年はちょっと広いスペース借り切ってやろうって健太が言ってたろ。そのための資金作り」
「え、もう? はやいね」
 健太くんはサークルの代表で、主に脚本を書いているひと。このサークルは、彼と和真くんの二人を柱にして成り立っている。立ち上げたのも彼らで、来年、大学を卒業する前に、なにか大きな公演したいと考えているみたいだった。
「金はあるにこしたことはないからなぁ」
「そっか……バイト、がんばってね」
「おう」
 和真くんの明るい返事に微笑んで、わたしは前に向き直った。二十数年、慣れ親しんだ自宅まで、あと少し。
 前もって両親に連絡してはいたけれど、琴乃ちゃんの家に寄ってもらっていたら、予定より遅くなってしまっていた。今はいったい何時だろう。左手の腕時計に視線を落としたわたしは、座席の上に落としたままの右手を包む、てのひらの感触に硬直した。
 汗ばんだ、おとこのひとの、大きな手は、わたしの指先をゆっくり、強く、握りしめる。
 和真くんは、前を見たまま、片手でハンドルを回している。
「ついたよ」
 門の傍に車を止めて、和真くんがわたしを見下ろした。その顔が、徐々に近づいてくる。わたしは身体をこわばらせ、ぎゅっと目を瞑って、加奈ちゃんが起きてこないことと――……この時間が、早く終わってくれることを、祈った。
 舌が、そっと、唇をなぞるけれど、わたしは侵入を拒んで、かたく口を閉ざす。口づけを深めることを諦めた和真くんは、わたしから離れて、少し、悲しそうに笑った。
「じゃぁ、また月曜に」
「……うん」
 わたしはトートバッグを抱えて、逃げるように車から降りる。それは和真くんから、というよりも、彼を拒んでしまった、自分の幼さから。
 和真くんに告白されたのは去年の秋口だった。それからお付き合いなるものを始めて、ほぼ半年が経つ。
 けれどわたしはいまだに、手をつなぐことにも、キスをすることにも、慣れない。
 明るくて、精力的で、誰からも人気の、和真くん。彼のことは、とても好きなのに、彼に触れられるだけでこわばってしまう自分を省みて、わたしは思う。
 おとこのひとが、こわいのかもしれない。
 和真くんの前にも、何人かに告白されたことはある。けれどどうしても、お付き合いをすることには踏み切れなかった。サークルのみんなに推されたこともあり、入学したてのときに出会ってからずっと仲良しだった和真くんとなら、と思って、わたしは彼の彼女になった。
 でもそれは、間違いだったのかもしれない。
「ただいま、お母さん」
「おかえりなさい」
 玄関の鍵をかけていると、奥からスリッパの音を響かせて母が出てきた。
「予定より遅かったわね」
「琴乃ちゃん家にDVD返しに寄り道してたら、遅くなっちゃって」
 大学に入ったわたしに、両親がまずしようとしたことは、門限を設定することだった。幸いにしてそれは、琴乃ちゃんの説得により撤廃されたけれど。
「友達が車で送ってくれたから、平気かなって思ったの。ごめんなさい」
 相変わらず過保護ぎみな両親に、わたしはまだ和真くんを彼氏として紹介することすらできていない。
 自室に戻ってトートバッグを落とし、わたしはベッドに倒れ伏した。クッションを抱きしめて目を閉じる。瞼の裏に、和真くんの傷ついた顔が映る。
 まだ、手をつなぐだけで緊張してしまうっていったら、友人たちは嗤うだろうか。
 うとうとしかけたころに、風が窓を叩いて、わたしは飛び起きた。街灯に仄明るく照らされる窓の外で、白い何かが舞い踊っている。
 桜の、はなびら。
 わたしは窓辺に寄って、路肩に吹き溜まるそれらを見下ろした。
 昔、いつだったか見た、雪みたいだと思った。


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