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第五章 錯綜する使用人 8


 この時間は部屋で勉学と格闘しているはずのマリアージュが、執事の青年を従えて足早に歩み寄ってくる。唐突に騒ぎに参入してきたその女主人に対しても、侍女頭の対応は変わらず淡々としたものだった。
「これはマリアージュ様」
 礼に一度腰を折り、再度背筋を伸ばしたローラは言う。
「失礼いたしました。この騒ぎはすぐに収まります。気を煩わせてしまったことをお許しください」
「私は何の騒ぎって尋ねているのよ、ローラ。人の話聞いているの? 誰が謝れって言った?」
 話しなさいと命ずるマリアージュに、ローラが視線を伏せる。困ったお方だ、とでも言いたげな表情を侍女頭は浮かべた。
「では、簡潔に申し上げます。このような場での報告をお許しくださいませ。一時雇いの魔術師とグレインが口論となりまして。その責任を取って、ダイに職を辞していただこうと皆で相談していた次第でございます」
「皆って、それはちが」
「ティティ!」
 話の腰を折るなと、ダイは侍女の手を引っ張った。勢いを殺がれたティティアンナが、困惑顔でダイを見下ろし低く訴える。
「なんでとめるのよ!?」
「いいですから!」
 マリアージュとローラの会話にティティアンナが入るとややこしくなる。ダイが口調を強めると、彼女は釈然としない様子で下唇を噛み締めた。
「……雇いの魔術師って、彼女よね」
 厨房長の横に佇むアルヴィナを一瞥し、マリアージュが呻く。
「あの二人の口論とダイの間に、一体どういう関係があるわけ?」
「魔術師を紹介したのはダイなのですよ、マリアージュ様。そして口論のきっかけとなったのも、ダイのことのようですからね」
「ダイはその場にいたの?」
「私ですか?」
 突如マリアージュに話を振られ、ダイは自らを指差しながら否定に首を振った。
「いえ、いませんでしたけど……」
「じゃぁ二人が勝手に喧嘩しただけじゃないの?」
「ですがこうも立て続けにダイに関ることで騒ぎが起こるとなると見過ごせません」
「は? 何あんたそんなに騒ぎ起こしてたの?」
 マリアージュの発言に、ダイは唖然となった。何を今更、と呻きたくなる。傍らのティティアンナなど、先ほどからの鬱憤も溜まってか顔色を完全に変えて、彼女の主人に掴みかかりそうな様子である。
 ダイと他の使用人たちとの間にある緊張を、マリアージュは知らぬのだ。
 質問に無言で応じたこちらに、彼女は訳がわからないと口先を尖らせる。
「彼は貴女様に無礼が過ぎますでしょう? マリアージュ様」
 遠慮というものを知らずに事を口にすると、ローラは嗤った。話を引き戻しにかかる彼女の声音は、子供に諭すように穏やかだ。
「ただでさえ女王選出の儀でお疲れのところ、ダイが空気を乱して、心休まることがないかと存じます。でもそれもまもなく終わります」
「ダイを辞めさせるから?」
「はい」
 無表情が常の神経質そうな顔に微笑を浮かべ、力強くローラは頷く。
「彼は、マリアージュ様の為になりません。一同、そう思っております」
「ふぅん」
 ある種の熱を込めて訴える侍女頭に、マリアージュは気の無い返事を投げた。一使用人の進退など、気にすることもない、ということか。全てが一気に馬鹿馬鹿しく思えて、ダイはこっそり肩を落とす。今すぐ部屋に戻って荷物を纏めたい衝動に駆られた。
「ローラ」
 ダイの前に立つマリアージュの声は、思いがけず鋭い。
 腰に手を当てた彼女は、半眼でローラを見上げ静かに問うた。
「あんた、いつからこの家の主人になったの?」
「……は?」
 意表を衝かれたといわんばかりの表情で、ローラが呻く。間抜けなほどにぽかんとした彼女の表情を、ダイは初めて目撃した。
 黙り込むローラに畳み掛けるようにして、マリアージュが問いかける。
「あんた、いつから使用人の辞める辞めないを私の許可なく決められる、この家の主人になったわけ?」
「ですがマリアージュ様」
「言いなさい。この家の主人は誰よ?」
「……マリアージュ様です」
 困惑の色を浮かべながらも、初老の女は明言する。マリアージュは満足げに鼻を鳴らした。
「ローラ、あんたはこの家に仕えてくれて一番長いし、みんなのことも私よりよくわかってるでしょう。使用人の管理は好き勝手にすればいいと思うわ。でもあんた、私に報告をいれずに、決めようとしたわね? あんたいつからそんなに偉くなったの。礼儀がなってないのはあんたの方じゃないの? 魔術師雇い入れるのも、あんた私に報告を入れに来なかったでしょ?」
 一度言葉を区切ったミズウィーリ家の若き当主は、彼女がこの場に姿を現して以降、無言のままであったヒースをちらと見やった。
「言っとくけど、ヒースはダイのときもあそこにいる魔術師のときも、雇っていいかって私に訊きにきたわよ。私に顔見たくないと言われながらでもね」
「それは――……当主代行ですし、彼がマリアージュ様に報告を入れるのは当然の義務です」
「そうよ。当然よ。だからあいつが誰を雇って誰を辞めさせるか決めていいのよ」
 マリアージュの発言に、周囲がはっとなったように息を呑む。ダイもマリアージュを改めて見つめなおした――やはり、彼女は決して愚鈍ではない。
 義務を怠るものに、使用人の任免を決める権利はないと、マリアージュはそう言っているのだ。
「でもあいつも私が駄目って言えば従うしかないのよ。ヒースはあんたと同じように、私に仕えてるんだから」
「ですが――……ダイはマリアージュ様の為になりません」
 このまま話を続ければ分が悪いと思ったのか、ローラが論点を引き戻そうとする。そんな彼女にマリアージュは荒らんだ声を張り上げた。
「頭悪いわね! あんたいつからそんなに頭悪くなったの!?」
 だん、とマリアージュが足を踏み鳴らす。そしてそれは思いのほか、廊下に大きく響き渡った。ローラの眼鏡から下がる細い金の鎖が、動揺を表すかのように大きく振れる。
 乾いた薄い唇を引き結ぶ侍女頭に、マリアージュは続けて叫んだ。
「ダイが私の為にならない!? それは私が決めることよ!」
「私は昔から――マリアージュ様のお母上が幼少のみぎりから、いえ、もっと以前からこの家にお仕えして参りました! 古参の私共の意見を蔑ろにするおつもりですか!?」
「あんた馬鹿!? 今はそんな話してるんじゃないわよ! 大体、あんた私にダイがどんな風に私の為にならないか、話しに来たことないでしょうが! ……いい? ローラ」
 声を低め、マリアージュは苛立ち顕に断言する。
「古いも新しいも関係ない。一体誰が私の為で一体誰が私の為じゃないかは私が決めるわ。あんたが決めることじゃない。文句あるならあんたが辞めなさい」
 ローラが、呆然とその場に立ち竦んだ。
 動けぬのは、誰もが同じだった。この場に集う一同皆、言葉を失い、マリアージュを見つめている。
 ダイも例外ではない。
 忘我の域から戻ったときには、マリアージュの姿が眼前にあった。
「ダイ、ちょっと来なさい」
「え? は、あ、え?」
 手首を乱暴に取られ、ダイは半ば引きずられる形で野次馬の輪から抜け出した。ぐいぐいと手首を引きながら先導するマリアージュに、足を縺れさせながら尋ねる。
「マ、マリアージュ様?」
「黙ってなさい!」
「……はい」
 命令された通り口を噤み、彼女の後に付き従ったダイの手首を投げ捨てるように解放したマリアージュは、ずんずんと早足で先を歩いていった。
 廊下を行き、階段を上る。
 辿り着いた先はマリアージュの部屋だ。
「さっさと入りなさいよ」
 入室を躊躇していると、マリアージュの叱責が飛んだ。ダイが足を踏み入れるや否や、彼女は乱暴に扉を閉じて鍵を掛ける。
「あんたね」
 ダイに向き直ったマリアージュは、盛大に嘆息を零した。
「一体なんなわけあれは!? どんな騒ぎを起こしたっていうのよ?」
「騒ぎっていうか……私にも説明しづらいことなんですけど」
「大体ね、なんで辞めさせられようとしてんのにあんた人事みたいな顔してんのよ!?」
「え? いえまぁ、私が辞めて場が円く収まるならそれでいいかな、と」
「……辞めたいの?」
 顔を曇らせて、彼女は真剣に問うてくる。以前、ダイが彼女に辞職を願い出たときのことを思い返しているのだろう。苦笑しながら、ダイは首を横に振った。
「いいえ。辞めたくはないです」
 辞めたところで先が見えぬというのに、職を失いたくはないというのが正直なところだ。
「ならそれでいいじゃない」
 顎を引いた彼女は、半眼でダイを睨め付けた。
「前にも言ったけど自分が引き下がればどうのこうのとかいうの、やめなさいよ鬱陶しい。虫唾が走るわそのいい子ぶるの」
「あ……えと、すみません」
 マリアージュの言う通り、この注意を受けるのは二度目だった。ダイはぺこりと頭を下げる。しかしマリアージュはその謝罪に、無関心な様子で背を向けた。卓の方へと歩き始めてしまう。
 叱咤されたことを忘れて同じ間違いを犯したことは自分の落ち度だが、そのように目も合わせず場を離れられると頭にくるものがある。大体、誰のせいでこんなことになったと思っているのだ。
 ぶすくれたダイに、椅子に腰掛けたマリアージュは首を傾げた。
「なにその顔。なんかあるなら言いなさいよ」
「今まで無視を決め込んでいらっしゃったのに、一体どういう風の吹き回しですか?」
「無視?」
「お顔に触ることを許してくださらないだけではなくて、私がマリアージュ様とお話したいと思っても、逃げ回っていたではありませんか」
 マリアージュがダイから逃げれば逃げるほど、周囲の緊張は高まっていった。マリアージュの反応は、ダイの存在が彼女を不愉快にさせると信じさせるに十分だった。ダイと係わり合いを持つことを彼らが疎ましく思うのも当然である。
 ダイの糾弾に、マリアージュは唇を尖らせた。
「化粧できないっていったのはあんたが最初でしょ。逃げ回っていたっていうか……だってまたなんかあんたに説教されるのかと思ったら鬱陶しくて」
「説教?」
「だってあんた、説教臭いじゃない? 口煩い」
 そんなに自分は彼女に口を出しただろうか。過去を顧ながら、ダイはマリアージュを見つめ返した。
「あんたにこれ以上何か言われると、頭一杯一杯になりそうで嫌だったのよ」
 こちらからの視線を不快そうに受け止めて、彼女は卓の上に頬杖を突く。
「考える時間が欲しかった」
「考える時間、ですか?」
「そうよ。どんな風に美しくなりたいか。あと、どんな人に人は付いてくるのか。あんたが考えろっていったんじゃない」
 ――……まだ、考えていたのか。
 驚愕に、ダイは絶句した。
 ダイが彼女に考えろと訴えて、もう一月が経つ。その間マリアージュは、怒りに任せて放ったこちらの言葉を、考え続けていたというのか。
「正直言って、考えても考えても、やっぱりわかんないのよ」
 女王候補の少女は頬杖から顔を離し、ダイを見据えて口を開いた。
「午餐とかに大人しく出て、顔を合わせる綺麗と思う子たちを見てみたんだけど、やっぱりわかんないわ。そうこうするうちに一月経っちゃったし、やっぱりわかんないわよってあんたに言おうとしたら、あんな騒ぎになってるし」
「誰のせいだと思ってるんですか」
「何よ、私のせいだっていうの?」
 非難の目をマリアージュから向けられ、ダイは我に返った。喉元までこみ上げた言葉を嚥下したつもりだったというのに、そのまま外に出してしまっていたらしい。
 こうなれば仕方がないと、ダイは腹を括った。
「……私、マリアージュ様に嫌われたんだと思いましたよ。皆もそうでしょう。だからマリアージュ様を不快にする私に辞めて欲しかったんだと思います」
 だから、あのような騒ぎになった。
「そりゃあんたの言葉は逐一煩くて不愉快だけど。別に不快じゃないわよ。……本当に不快なら、私があんたのことを追い出してるし、あんたの言ったこと考えたりなんてしないわ馬鹿馬鹿しい」
「ならどうして何も言って下さらなかったんですか? 考えたいんだって一言言ってくだされば、顔を合わせたとしても色々言ったりなんて」
「するわよ。あんた絶対する」
 ダイの言葉を遮って、マリアージュは断言した。
「ローラの言葉を借りるけど、あんたってそういうところ遠慮がないわよ。主人に対する礼儀がなってないわ」
「……すみません」
「いいけど。びくびく距離とって話しかけてこようとしないほうが、鬱陶しいし」
 気だるげに嘆息した後、儚く笑って彼女は言う。
「あんたはまだマシ」
 彼女が浮かべる微笑は、孤独に疲れた者が浮かべるそれだった。
 居た堪れない気分に、目を伏せる。
「……だったら、命令されれば、よかったんです。考えたいから、こっちから話しかけるまで、放っておいてくれって」
 そのように命じられていれば、周囲も、そしてダイも、変な疑心暗鬼を持たずに今の状況を納得して受け入れられていたのだ。
「言わなきゃいけなかったの?」
 子供のようにぱちくりと目を丸めてマリアージュが尋ねてくる。
「わからないと、みんな不安になります」
 ダイは嘆息を堪えながら頷いた。
「私も、不安でした。どうしたらいいのか、わからなくなります。さっきの……人はどのような人に付いていくかというお話の、続きというわけではないですが……わからない人に、皆付いていこうと思いませんよ」
「どうして?」
「不安に、思うからです。右に行けばいいのか左に行けばいいのかわからないっていうのは、怖いですよ」
 マリアージュが低く唸る。ダイの言葉を咀嚼しようと試みているらしい。
「……なんで皆がマリア様にびくびくして積極的に話しかけてこようとしないか、わかりますか?」
 もう少しわかりやすい例えを出してやろうとダイは話題の転換を図った。唐突な問いかけだったにもかかわらず、マリアージュは首を傾げつつ素直に応じる。
「……私の癇癪が、嫌だからよね」
「そうですね。もっとちゃんというと、一体何がマリアージュ様の気に触れるかわからないからです。マリア様、前触れなく癇癪起こされるから」
「あんた人を触っただけで爆発する魔術か何かと勘違いしてるんじゃないの?」
「いえ、そんな風には思ってないですけど」
 少なくとも、自分は。
「けど?」
 眉をひそめたマリアージュに、ダイは沈黙を返した。
 椅子に深く腰掛け直したマリアージュは腕を組み、口元を不快そうに歪る。
「……わからないのが嫌なだけよ」
 一体どんな思惑が周囲で動いて、己が女王候補などというものになってしまったのか。そしてそれに関して、本当は皆どのように思っているのか。
 わからぬことが嫌なのだと、マリアージュは言った。
「にこにこして私にはぜんぜん何にも話そうとしない、あの子たちには苛々するの。だからついあたってしまうのよ」
「マリアージュ様が嫌なように、仕える側も、主人が何を思ってるかわからないと嫌なんですよ」
 苦笑しながら、ダイは言った。
「堂々として、何かあっても動じないように見えるのがいいんです。例えばお屋敷も、いつ崩れ落ちてくるかわからないようなところよりも、しっかりした骨組みの建物のほうがいいでしょう?」
 人は、わかりやすいものを好む。
 化粧も、人の美しさを誇張して、わかりやすくするためのものなのだ。
 ダイの言葉に黙してしばし、マリアージュは頬を紅潮させて声を上げた。
「それだわ」
「は? 何がです?」
 いつものように声を荒げたり暴れたりといったような様子はないものの、マリアージュは明らかに興奮しているようだった。いつになく、彼女は表情を輝かせているように見える。
「それよ。それなんだわ」
「えーっと、だから何が」
「美しさよ!」
 ダイの言葉を遮って、マリアージュは叫んだ。
「ダイ、私はそんな風に見られたい。少しのことでは動じなくて……迷いがないような、そんな人に」
 椅子から身を乗り出し、一音一音を噛み締めるようにして、彼女は主張する。その華奢な手が作る拳は、気の昂ぶれの表れだった。
「私、どんな女王がいいかなんてわからないわ。でも、美しくなりたい」
 一度言葉を区切り、マリアージュは痛みを堪えるときのように下唇を噛み締める。そして躊躇いがちに口を開いた。
「……私が生まれてきたとき、お父様はがっかりされたのだと聞いたわ。お母様に、私は全く、似ていなくて」
 とつとつとした語り口。そこには引き攣れた傷のようなものが覗いている。
 膝の上で組み合わせた手を握り締め、僅かに顔をしかめたマリアージュはしかし、一瞬後にはそれこそ彼女が望む揺らぎない眼差しをダイに向けていた。
「お母様は美しい人だったから。美しくて、儚い人だったから。私が似ていなくて、がっかりされていた。でも、あんたが化粧をしてくれたら、お綺麗ですねって、声を掛けられる。美しく……なれる」
 強い意志を胡桃色の双眸に湛え、マリアージュはダイに言う。
「認めるのも嫌だけど、でもあんたが化粧をしてくれないと、やっぱり私、午餐や晩餐の招待に応じてもぱっとしない。あんたが化粧してくれて初めて、私は顔を上げていられる。そのあんたが、どんな風に美しくなりたいか、私がいわなきゃ化粧できないっていうから、私考えたわ。今までにないぐらい考えた。――……私は、迷いがなくて、動じない人になりたい。そういう人が、美しいって思えるから。だからこれから、そういう風に見えるように化粧をして頂戴」
 これでいい? と問うてくるマリアージュに、ダイは微笑む。
「美しかったというマリアージュ様の母上を私は知りませんけれど、それでよかったと思います。誰も貴女にその人の影を見たりしない。マリアージュ様、貴女は貴女の美しさを真っ直ぐに追えばいい」
 背を這い登ったその感情を、なんと表したらよいのだろう。
 ただ、奮えが身体中を伝い、血潮を昂揚させていった。歓喜。そう、歓喜だ。その塊が喉の奥に閊(つか)え、声に代わって吐息が落ちる。
 不要だと思われていた自分の化粧の腕を、彼女はこんなにも真剣に、望んでくれていた。
 そのことに、ダイは喩えようのない喜びを覚えていた。
 ゆっくりとマリアージュとの距離を詰め、躊躇いながらその手を取る。
 ダイの手を、マリアージュは拒まない。彼女はこちらの真意を図るように、小さく首を傾げている。
「揺るぎなく、迷いないように」
 柔い少女の手を包む自分の手に、力を込める。
「貴女が、望まれたように、私は貴女を美しくすることを誓いましょう」
 マリアージュを見つめ、ダイは宣誓した。
「私の、腕に掛けて」


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