あらすじ


「探しに行こう。本当のあなたを」

小国デルリゲイリアは女王の選出に沸き立っていた。数人の女王候補を立て、誰がもっとも相応しいか競わせることが古くからの慣わし。厳しい審議の末、五人の女王候補が選ばれた。貴族たちが玉座争いに躍起になる中、娼館で腕を揮う化粧師を、一人の男が訪ねるのだが――。

これは一つの大陸の、新しい夜明けの物語。

本編


序幕:女王選出

化粧師は己が腕を頼りに、花街で生きてきた。揺り篭のようなその場所から、いつかは旅立たねばならないと怯えながら。
その生活に変化をもたらしたのは、ひとりの男の来訪だった。

序章 雷雨の夜 1
第一章 娼婦の顔師 1/2/3/4/5
第二章 女王の候補者 1/2/3/4
第三章 灰色の智将 1/2/3/4/5/6/7/8
第四章 隠遁する魔術師 1/2/3/4/5/6/7
第五章 錯綜する使用人 1/2/3/4/5/6/7/8
間章 二つは選べない 1/2
第六章 集会する偽装者 1/2/3/4/5/6/7/8
第七章 篭絡する医師 1/2/3/4/5/6/7/8
第八章 墜落する競争者 1/2/3/4/5/6/7/8
第九章 煩悶する少女 1/2/3/4/5/6/7/8
第十章 懊悩する青年 1/2/3/4/5/6/7/8
終章 別たれる人々 1/2



第一幕:女王対立

晴れて国主となった主人について、化粧師は隣国へと向かう。
――微睡みの中にいた国が、今、嵐に呑まれようとしていた。

序章 宵闇の奸計 1
第一章 久闊の訪問者 1/2/3/4/5
第二章 惑う従者 1/2/3/4/5/6
第三章 試される虜囚 1/2/3/4/5
第四章 決裂する為政者 1/2/3/4
第五章 奔る諜報者 1/2/3/4/5/6
第六章 交錯する政客 1/2/3/4
終章 決意する人々 1/2



第二幕:女王彷徨

力なくば、何もできない。無力を痛感する女王、そして化粧師。
己が立ち位置と往くべき道を探して、二人は再び国境を超える。

序章 真昼の出奔 1
第一章 自失する君主 1/2/3
第二章 稀なる歓待者 1/2/3/4
第三章 渦旋する因習者 1/2/3
第四章 休息する逗留者 1/2/3
第五章 舞踏する漂寓者 1/2/3/4/5
間章 枝葉を広げる 1/2/3/4/5
第六章 微睡む王母 1/2/3/4/5/6
第七章 衝突する探究者 1/2/3/4
第八章 討議する執政者 1/2/3/4/5/6
第九章 忍ぶ懸想者 1/2/3/4/5/6/7
第十章 蜂起する復讐者 1/2/3/4/5
終章 離離たる人々 1


第三幕:女王離別


渦中に残された女王は、己が立ち位置を改めて見定め真実を追う。
一方、傷を負った化粧師は鳥かごの中で選択と覚悟を問われていた。

序章 払暁の終焉 1
第一章 潜伏する内通者 1/2/3/4
第二章 悔いる傷病者 1/2/3/4
第三章 夢想する後援者 1/2/3/4
第四章 探索する俘虜 1/2/3/4
間章 全ては墓の下 1/2/3/4
第五章 暴かれる罪人 1/2/3/4
第六章 再演する狂信者 1/2/3/4
第七章 血盟する王者 1/2/3/4
第八章 追従する忠臣 1/2/3/4
第九章 泡沫の恋人 1/2/3/4
終章 係争する人々 1


終幕:女王宣告

西の獣の転換点として語られる聖教騒乱に、女王と化粧師は立ち向かう。
ときに離れ、ときに傍らで。固く結ばれた絆を綱にして。

序章 朝間の放浪 1
第一章 模索する調停者 1/2/3/4
第二章 呼ばずの来訪者 1/2/3/4
第三章 備える採択者 1/2/3/4
第四章 侵攻する聖女 1/2/3/4
第五章 防衛する後裔 1/2/3/4
間章 縋るな、弱き者よ 1/2/3/4
第六章 昏迷する民人 1/2/3/4
第七章 諍う背信者 1/2/3/4
第八章 潜入する救援者 1/2/3/4
第九章 終演する領主 1/2/3/4
第十章 契約する帰還者 1/2/3/4
終章 女王の化粧師 1/2