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第三章 渦旋する因習者 3


 警笛に似た甲高い鳴き声が、夜の静寂を切り裂いていく。
 天に向かって頸を伸ばした遣い魔から波及的に見えない何かが放たれ、舞い踊っていた妖精光たちが木端のように跳ね飛ばされた。ぴり、と産毛が逆立つ。しかしそれは、刹那とも呼べる短い間だけだった。
 ダイが化粧鞄を抱えたまま瞬いたときには既に、周囲は元通りの幻想的な光景を取り戻していた。
 その端で女の影がぐらりと傾ぐ。
「シーラさん?」
 剣を手から滑り落とした彼女は、膝を突いてその場に崩れ落ちた。欄干に身体をもたせ掛けたまま、驚愕の目でダイを見上げてくる。
「いったい……なに……を……」
 声量わずかな問いは最後まで紡がれることはなかった。シーラは低く呻いて瞼を戦慄かせると、糸が切れたかのように意識を失った。
 遣い魔が羽音を立ててダイの肩に戻る。
 すり寄る彼を撫でながらダイは眠る女に呟いた。
「それは、私の台詞ですよ……」
 遣い魔が魔術を発動させたところを初めて目にする。
 こうなるのか、と、昏睡するシーラを見下ろしてしばし、顔に影が差してダイは正面を向いた。
 妖精光の量に変化はないが、やけに周囲を暗く感じる。注意深く変化を探り、ダイは息を呑んで欄干に取りついた。
 陸地に、近づいていく。
 それも、かなりの速度で。
 迫りくる崖にぞっとなり、ダイは船内に駆けこんだ。
 廊下を数歩駆けたところで横殴りの衝撃が船を襲う。
「わっ……!!」
 足元が上下に大きく揺れる。船体の耳障りな気染みが獣の咆哮のように木霊している。次々と割れた窓の玻璃が、虹の光を乱反射しつつ、床板の上を跳ねまわる。
 シーラの身体は幸運にも船内に投げ出されていた。壁に叩きつけられて打ったのか、それとも玻璃の破片で切ったか。彼女の額から顎に向けて鮮血が筋を引いていく。
 シーラに駆け寄ろうとしたダイは二度目の衝撃によろめいた。踏みとどまった後も振動は断続的に続いている。
 いったい、何が。
 思案しかけたところで思い至り舌打ちする。
(眠っているんだ!)
 乗組員すべてが。
 船の操縦士までもが。
 ダイはマリアージュの下に向かうべく早足で歩きだした。足場の不安定な今は駆け出せば返って危険となる。化粧鞄も持って行く。体重の軽いダイの重り代わりになるだろう。
 廊下の壁際には点々と人が折り重なっていた。扉が開いたままの部屋の中を覗いてみたが似たような有様で、目覚めている者はダイひとりだ。
 遣い魔はダイの身を守るために周囲を無差別に眠らせる。その効果範囲はあくまで最小のはずだった。
 だがアルヴィナは言及していたではないか。
 妖精光が現れる場所において魔術は暴発する可能性があると。
 ダイが階段を幾度か上って甲板に辿り着くと、打ち上げられた魚のていで横たわる船乗りたちの姿がある。投げ出された縄や割れて転がる灯篭といった障害物に避けつつダイは楼甲板を目指した。船橋の横に据えられた階段を注意深く上りきる。
 そしてようやっと横倒しになった円卓の影に、レイナとマリアージュのふたりを見つけた。
「マリアージュさま」
 ダイは化粧鞄を置いてマリアージュに駆け寄った。その身体を慎重に抱き起こし、髪を指先で端に寄せて顔色を見る。目立った外傷は特にない。
 ダイはほっと息を吐いてマリアージュの頬を軽く叩いた。けれども彼女に覚醒する気配は見られなかった。ダイは胸中で舌打ちした。ダイ自身を守るはずの術が逆に主君まで危機に陥れてしまうとは。
 マリアージュたちからやや離れてアッセの姿もある。円卓の元の位置から察するに、彼らから離れた場所へ、娘ふたりの方が投げ出されたのだろう。
(とりあえず、安全な場所へ……)
 まったく目覚める気配のないマリアージュたちをこのまま放置してはおけない。せめて船内で待てばアルヴィナが来てくれるはずだ。まさか遣い魔の主人たる彼女まで、眠っているということはあるまい。
 ダイは鳥を追いやった己の肩にマリアージュの腕を回した。彼女の身体を担ぎ上げる。
「お、もたっ……!」
 主人にはたいへん失礼だが、重い。
 身長が伸びたとはいえ、まだまだ小柄なダイにとって彼女を背負うことはかなりの苦行だった。圧し掛かる体重に閉口する。
 ダイは歯を食いしばりながらどうにか一歩を踏み出した。
 しかしその足が床板を踏むことはなかった。
 雷鳴の如き轟音を伴い船が揺れて、ダイは短い悲鳴を上げながら、マリアージュごとひっくり返った。急激に傾いだ甲板の上をふたりで転がっていく。
「ぐっ、うぅ……」
 主君の頭を腹に抱えていたダイは、背面を襲った衝撃に思わず呻いた。爪まで押し寄せる痺れを、身体を丸めてやり過ごす。
 鈍痛に、視界がかすむ。
 指の感覚を取り戻して息を深く吐いたのもつかの間、ダイは慌ててマリアージュを抱き直して頭を伏せた。
 縄や木桶といった軽い物が、ダイを目掛け落下してくる。肩や背を打撃が次々と襲った。
 ダイとマリアージュがひっかかった欄干の真下では水が唸りながら渦巻いている。その中に落下した不幸な船員たちが木の葉のように飲み込まれていった。
 ダイはマリアージュを抱く腕に力を込めて息を潜めた。
 崖に斜めに立てかけられるようになった船はみしみしと不吉な悲鳴を上げ続けていた。
 おそらく、船体が暗礁に乗り上げたのだ。
「い……た」
(いまの)
 自分の声ではない。
 ダイは目を瞠って面を上げた。すぐ傍らに動く影が過ぎる。
 レイナが起き上がり始めていた。
「動かないでください!」
 意識の朦朧とした様子のレイナにダイは金切り声で警告した。しかしその甲斐なくレイナは上半身を起こしてしまった。
 彼女の焦点の合わぬ目がダイに向けられる。
 ダイは歯噛みした。船体の角度は今のところ安定している。レイナにはもう少し眠っていてほしかった。
「レイナ様、動かないで!」
 ダイの言葉の意味を把握したらしい。
 レイナの顔から血の気がみるみる失われていく。
「ひっ……!」
 欄干から足を滑らせるレイナに、ダイは反射的に手を伸ばした。
「あぶなっ……!」
 ただ、他者を案じている場合ではなかった。
 レイナを甲板に引き戻すことには成功した。けれども今度はダイ自身が体勢を崩した。
 踏みとどまろうと足掻くダイを嘲笑うように天から影が落下してくる。
 ほかでもない、ダイの化粧鞄。
(なんでっ……!?)
 ダイは胸中で悲鳴を上げた。
 勢い余った化粧鞄の裏切りを受けて、マリアージュと共に欄干から落下する。
「ダイっ……!!」
 急速に遠退く楼甲板に魔術師の姿が現れた。
「アル、ヴィ」
 傾いだままの床板を駆け下りて、アルヴィナが欄干から踏み切る。
 遣い魔が羽ばたき、光が舞い上がる。
 魔術師の法衣が、風にひるがえる。
 自分たちふたりを抱く魔術師の肩越しにダイは手を伸ばすレイナの姿を見た。
 しかしそれは跳ね上がった水泡に遮られ、瞬く間に見えなくなっていったのだった。


 近隣の村に馬車を要請して待つこと半日。
 翌々日の昼を回ってようやっと、レイナたちはルグロワに戻った。
 シーラの主人は着替えを済ませてからずっと寝台に伏せたままだった。枕に顔を埋めて敷布を握る手を戦慄かせている。
 その震えが体験した恐怖からのものか、失態を犯した家臣への憤怒からかは、シーラにもわかりかねた。
 シーラは腫れた己の頬に触れた。レイナから受けた折檻の名残だ。
 いったい何が起きた。どうして対処できなかった。
 あの化粧師の連れていた鳥がことを引き起こしたのだとは思うが、デルリゲイリアの一行は総じて口を噤み、シーラは確証を得られなかった。レイナは怒りを募らせてシーラを罵った。
 この愚鈍。この無能。
 おまえなど、あの夜に殺してやればよかった。
 来訪者を告げる叩扉の音にシーラは我に返った。
 外に顔を出すと若い伝令が一礼する。手短に語られる用件を耳に入れ、シーラは部屋に戻り扉を閉じた。
「……何だったの?」
 レイナが顔を伏せたまま尋ねてくる。
 シーラは寝台の傍らに立って報告した。
「レイナ様にお会いしたいと」
「追い返して。いったいだれよ。こんな時に」
「イネカ・リア=エルです」
 レイナが跳ね起きる。
「……なんで、あの、おんなが……」
 こわばった顔を青褪めさせて彼女は呻く。
 シーラは努めて穏やかに尋ねた。
「いかが、なさいますか?」
「……会うしかないでしょう」
 レイナは苦虫を噛み潰した表情で答えると寝台から降りた。
「侍女を呼んで」
「かしこまりました」
 片膝を突いて一礼するシーラの前にレイナの手が差し出される。
 その甲に黙ってくちづけ、シーラは立ち上がった。
 侍女を呼ぶべく廊下へと向かい、退室する寸前に主人を振り返る。
 苛立ちも頂点に達したのだろう。レイナは腰当を椅子の座面に叩きつけていた。
 縫い目が裂けて詰まっていた羽毛が砂塵のように飛び散り降り積もるまで。
 幾度も、幾度も、叩きつけていた。


 クラン・ハイヴは都市の集合体だ。代表者はいない。
 そのようになっている。
 けれどもクラン・ハイヴをひとつに足らしめる存在はあるのだ。
 メイゼンブル滅亡の折に欲をかいた男たちはひとりの女を選出した。
 主神への免罪符。
 無罪の象徴。
 クラン・ハイヴの、影の女帝として。


 イネカ・リア=エルは市庁舎裏の温室でレイナを待っていた。
 レイナが席の真横に立ってイネカを睥睨する。
「ごきげんよう、イネカ。来るときは連絡ぐらいちょうだいなって、レイナは前にも言ったはずですけれど?」
 苛立ちあらわなレイナの態度にイネカは眉ひとつ動かさない。挨拶すらなく彼女は淡白に告げる。
「仕事を持ってきた」
 イネカの発言には抑揚がない。そもそも感情というものが欠落しているのだ。本当に生身のひとなのかとシーラが勘ぐらずにはいられないほどに。
 レイナに椅子を引きながらシーラはイネカの顔を盗み見た。
 短く刈り込まれた亜麻色の髪。彫りの深い顔。身体の骨格もしっかりとしたものだ。その白い肌の右半身は顔も含めて術式と思しき紋様で覆われている。見るものが目を背けたくなるほど、禍々しく、そしてどこかうつくしい藍色の入れ墨だった。
 さらに特筆すべきは彼女の瞳だろう。
 胆礬(たんばん)――目の覚めるような青をしたその双眸には濁りがない。ありえないほど透徹したイネカの眼は、地平の果てまでが見えているかのようだった。
 椅子に座って足を組む今の状態ではわかり辛いが、イネカはかなりの長身だ。衣装も男もの。身体の線に沿った黒の衣装に黄の法衣を重ねて、太い皮ひもを締めている。
 膝下を覆うものは造りの確かな乗馬靴。腰には、幅広の剣。
 若い女の装いとしては、いささか無骨すぎる。彼女の耳や胸元を飾る大粒の翡翠の連なりも、呪術めいた印象しか残さない。
「仕事ですって?」
 席に着いたレイナが鼻で嗤って紅茶をひと息に飲み干した。そのまま茶器を卓上に叩きつける。
「いやよ。レイナは忙しいんだから」
 イネカの肩口に乗る極彩色の鸚鵡がぎゃっぎゃと鳴いた。
『イヤヨ、イヤヨ。レイナ、イヤヨ……』
 このイネカの鳥もまたレイナの厭うもののひとつだ。レイナは忌々しげに鸚鵡を一瞥した。その視線から逃れるように鸚鵡が高く舞い上がる。
 天窓の縁に留まって身づくろいを始める鳥の姿を、レイナの背後から見上げながらシーラは黙考した。
 あれも魔術を使うのだろうか。
「接待だったね」
 茶器にくちびるを付けてイネカが言う。
 彼女はデルリゲイリアから客人があったことを承知しているらしい。
「私も、会いたい」
 と、イネカが告げた。
 シーラがため息を吐いて問いかける。
「デルリゲイリアの……女王陛下に?」
 無言で首肯するイネカにレイナは即答した。
「無理よ。ここにはいないもの」
「なぜ?」
 今度はイネカが問う番だった。
「ビサイアへは、二日後だ」
 イネカとの会話には通訳が必要だ。端的すぎるのだ。
 しかし意味はわかる。イネカはデルリゲイリアからの使節団の予定について触れているのだ。
 ビサイアはルグロワ市と隣接する都市である。マリアージュたちは二日後にこのビサイアへと向かう予定だった。
 秘匿されているはずなのにどこから情報を仕入れたのだろう。
「船から落ちたのよ。女王陛下は」
 レイナが正直に事情を告白した。彼女にしては驚くべき素直さだった。
「湖へ遊覧に出かけたときに船が暗礁に乗り上げて転覆しかかったの。そのときに。今、皆で探させているわ」
「なぜ、落ちた?」
「……操舵手が眠ってしまって、船が河岸にぶつかったの。その衝撃で甲板にいた者が数人、放り出されて……レイナだって危なかったんだから」
「なぜ、操舵手が眠る?」
「魔術よ!」
 椅子を倒す勢いで立ち上がってレイナは叫んだ。
「操舵手だけじゃないわ! 船に乗っていた全員が一斉に眠っちゃっていたの!」
「その魔術を使った奴、捕まえられたのかよ?」
 ぞんざいな口調でレイナに問いを投げた者はイネカではない。その横の席を陣取る従者だ。
 巻き毛の黒髪に大きな黒目。小麦色の肌。左頬と首筋には赤い刺青。利かん気な顔つきをした、十歳前後の痩せた少年だ。
 彼が口周りに付着した菓子の滓を手の甲で拭って話を続ける。
「船って、市長が持っているあのでっかいのだろ。結構な人数乗ってたんじゃねぇの? その全員を一斉に眠らせるなんて普通の魔術師にはできねぇよ。放っておくと危険だぜ。どこのだれかわかってんの?」
 イネカは従者の口の利き方を咎めるつもりはないようだ。黙ったまま茶をゆっくりと啜っている。
「魔術師じゃないわ」
 射殺すような目でイネカの従者を睨みながらレイナが呻く。椅子に乱暴に腰を落とした彼女はシーラに一瞥を寄越した。続きは説明しろということらしい。
「女王の従者が連れていた鳥が魔術を使ったように見えました。ですが確証はありません。デルリゲイリアの者たちはだれも口を割らず」
「レイナ・ルグロワ」
 イネカが茶器を置いた。
 鮮烈な青の目がレイナを映す。
 無感動な目。だからこそかえって見るものの芯を冷やした。
「君、その従者、欲しがった?」
 ――その従者に危険が及ぶような真似をしたのだろう。
 イネカの指摘を受けてレイナの頬にさっと朱が差す。
「どうして――……そう思うの?」
「鳥、使い魔、主人、守った」
 イネカは天を仰いで口笛を吹いた。
 鸚鵡がイネカの肩に舞い戻る。
 極彩色の鳥はその丸い瞳だけ漆黒の色をしている。
 深淵の縁のようなその眼でレイナを見つめて鳥はまた鳴いた。
 イネカに代わってレイナを嘲笑うかのように。
 沈黙するレイナにイネカが吐息した。
「悪戯は、控える。都市を、取り上げられたくなければ。……ジュノ」
 イネカから呼びかけられた少年は菓子置いて手を手ぬぐいで拭いた。
 腰に提げた鞄から一通の書簡を取り出す。
 レイナがイネカに告げる。
「君に仕事を。レイナ」
 そして彼女は少年に発言を譲った。
「二か月後、旧メイゼンブル本国、小スカナジア宮で大陸全土の国々から代表者を集めて、意見交換のための会を催す」
 その資料らしき書簡をシーラに差し出し、少年は慣れを感じる口調で説明を始めた。
「このクラン・ハイヴが音頭をとって行う、大陸初のでっかい集まり。まだ打診中だけど、ドンファン、ゼクスト、ファーリル、ドッペルガム……小国はもちろん、ゼムナム、そしてペルフィリアにも参加してもらおうっていう、首脳会議だよ」
「レイナ。会議の、準備の、責任者、を、命じる」
 唐突な命令にレイナが呆然とイネカを見返し、戦慄く拳を円卓に押し付けて声を荒げた。
「なんでレイナなのっ……!?」
「あんたがいっとう他の市長たちの扱いがお上手だからだよ」
 少年が焼き菓子を口に放り込みながらレイナに答えた。
「よくエスメルのおっさんに兵を出させることができたよなぁ」
 レイナの顔から表情が消えた。
 その顔を少年が犬歯を見せて笑いながら下から覗き込む。
「あの兄さんは飾っておいたらすげぇ綺麗だろうけど、あんたの手に入ったところで簡単に膝を突くような男じゃないだろ? あのにーさんと何の取引をしたのかしらねけど、グラハムのおっさんも戻ってきやがったしさ。まったくどいつもこいつも勝手なことすんなよなー。市長降ろすぞ」
「市長の任免はアンタの役目じゃないわ、ジュノ」
「俺の声はイネカの声だ。あんたらみたいな欲っかきがイネカを生贄にしなけりゃ俺はいらなかったんだよ。俺を不快に思うなら自分を恨みな」
「あの男たちとレイナを同じにしないで」
 レイナが憎悪の目で少年を見る。
 少年は肩をすくめてその視線を往なした。
「男たちと、ちがう」
 椅子から立ち上がってイネカが呟く。
「だから、会の代表、おまえの役目。……命じた」
「……レイナに任せるとそれこそ好き勝手するわよ。イネカさま」
 イネカがレイナを見つめて、それこそ初めて微笑んだ。
 怒りの色をますます深めてレイナはイネカに吐き捨てる。
「レイナ、あんたのこと、だいっきらい」
 少年を待っていたイネカが踵を返しながらレイナに言った。
「好き、嫌い。それでは物事、立ち行かんさ」
 鸚鵡がはばたき、羽を散らかしながら、けたたましく嗤った。
『キライ、キライ、レイナ、キライ』
 キライ、キライ。
 ゼンブ。
 ダイキライ……。


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